労働基準法・改善基準告示 ・ ステージ3

トラックの運転時間と連続運転

この章でわかること

1なぜ運転時間にも上限があるの?

拘束時間を守っていても、その大部分をハンドルを握って過ごせば、集中力は切れていきます。そこで改善基準告示は、拘束時間とは別に「運転そのもの」の長さにも上限をつけています。

2日平均1日あたり9時間以内
2週平均1週あたり44時間以内
連続運転4時間以内(途中で中断30分)

3つの物差しを全部守ります。「1日8時間」という運転時間の基準はありません(8時間は労働基準法の法定労働時間)。

22日平均9時間:前日とも、翌日とも

ある日(特定日)を決めて、「特定日と前日」の平均と「特定日と翌日」の平均の2つを出します。両方が9時間を超えたときだけ違反です。

9h 前日特定日翌日 10h9h8h 平均9.5 超 平均8.5 OK

前日との平均は超えているけれど、翌日との平均は9時間以内。片方がOKなので違反ではない。

前日との平均翌日との平均判定
9時間以内9時間以内OK
9時間超9時間以内OK
9時間以内9時間超OK
9時間超9時間超違反
計算のコツ平均を出す前に「合計が18時間を超えるか」を見ると速い。(前日+特定日)と(特定日+翌日)が、両方とも18時間超なら違反です。

32週平均44時間 = 2週間で88時間

2週間の合計 88時間まで OK✗
044h88h

「2週間を平均して1週44時間」は、言いかえると2週間の合計が88時間以内。1週目が50時間でも、2週目が38時間なら合計88時間でOKです。

2週間の区切りは、特定の日を起算日として2週間ごとに区切って判断します。

バスとはちがうバスは「4週間を平均して1週40時間」。トラックは「2週間・44時間」。入れかえたひっかけに注意(→「バスの基準」)。

4連続運転4時間と「運転の中断」

連続運転時間とは、運転の中断をはさまずに運転し続けた時間です。4時間以内に、合計30分以上の中断を入れます。

連続運転4時間以内
中断合計30分以上。1回おおむね連続10分以上

数え方:中断が合計30分たまったらリセット

◯ の例

◯
1h2h1h
中断10分中断20分

運転1h → 中断10分 → 運転2h → 中断20分(ここで中断が合計30分) → 運転1h…。中断が30分たまるまでの運転は1+2=3時間で、4時間以内。

✕ の例

✕
2h1.5h1h → 4.5h
中断15分中断10分

中断は15+10=25分で、まだ30分に届いていない。その間の運転は2+1.5+1=4.5時間で、4時間を超えて違反。

中断のこまかい決まり

5例題で確かめよう

例題1

運転時間が、1日目9時間、2日目(特定日)10時間、3日目10時間だった。2日平均の基準に違反するか。

答えと解き方を見る
  1. 特定日と前日の平均:(9+10)÷2=9.5時間 → 9時間超
  2. 特定日と翌日の平均:(10+10)÷2=10時間 → 9時間超
  3. 両方とも超えているので違反。

例題2

次の運転は、連続運転時間の基準に違反するか。
運転1時間30分 → 中断10分 → 運転1時間 → 中断10分 → 運転1時間 → 中断10分 → 運転30分

答えと解き方を見る
  1. 中断を足していく:10分 → 20分 → 30分。3回目で合計30分に届く。
  2. それまでの運転:1.5+1+1=3時間30分。4時間以内。
  3. 中断は1回10分以上で合計30分。よって違反ではない。最後の30分の運転は、ここから新しく数える。

例題3

2週間の運転時間が、1週目48時間、2週目42時間だった。2週平均の基準は守れているか。

答えと解き方を見る

合計90時間で、88時間を超える → 守れていない(平均すると1週45時間)。

6試験でねらわれるひっかけ

運転時間は1日ごとに8時間以内
2日平均で1日9時間以内(1日ごとの上限はない)
前日との平均か翌日との平均の、どちらかが9時間を超えたら違反
両方が9時間を超えたときだけ違反
トラックは4週平均で1週40時間
トラックは2週平均で1週44時間(4週・40時間はバス)
連続運転時間は5時間以内
4時間以内(やむを得ない場合でも4時間30分まで)
荷待ちの時間は運転時間に含める
運転時間はハンドルを握る時間だけ。荷待ちは拘束時間

まとめ

ドリルで確かめる(運転時間)

要点ノートで見直す

出典:改善基準告示(トラック)、厚生労働省「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」。2026年10月時点の内容です。法令や告示は改正されることがあるので、試験の前には最新の公式資料で確認してください。