労働基準法・改善基準告示 ・ ステージ3

割増賃金と年次有給休暇

この章でわかること

1割増賃金は「3つの部品」の足し算

法律の枠をこえて働いてもらったら、ふだんの賃金に上乗せ(割増)して払います。部品は3つだけです。

時間外労働25%以上(2割5分)。月60時間超の部分は50%以上
法定休日の労働35%以上(3割5分)
深夜労働(22時〜5時)25%以上(2割5分)

重なったら足し算

時間外 25 深夜 25 = 50% 休日 35 深夜 25 = 60%

時間外+深夜=50%以上、法定休日+深夜=60%以上。

休日と時間外は足さない法定休日はもともと「働かない日」なので、休日に8時間を超えて働いても時間外の25%は足しません(35%のまま。深夜にかかれば60%)。

21日の流れで見る割増

平日
9〜18時 通常25%22時〜 50%
9時18時22時翌5時

9時始業・休憩1時間で18時に8時間。18時からは時間外(25%)、22時からは時間外+深夜(50%)。

月60時間を超えたら50%

60時間まで 25%60h超の部分 50%
060h1か月の時間外

1か月の時間外労働のうち、60時間を超えた部分だけが50%以上。中小企業にも2023年4月から適用されています。深夜にかかれば、さらに25%を足します(75%以上)。

3年次有給休暇:6か月・8割で10日

雇入れから6か月 継続勤務+全労働日の8割以上 出勤→10労働日

勤続年数と付与日数(週5日以上働く人)

10111214161820 0.5年1.5年2.5年3.5年4.5年5.5年6.5年〜

試験でよく出るのは最初の「6か月で10日」。その後は勤続年数に応じて増え、最大20日。

年5日の取得義務年10日以上もらう人には、使用者が年5日は時季を指定して取らせる(2019年4月から)。
時季変更権有給は労働者が請求した時季に与える。事業の正常な運営を妨げるときだけ、使用者は時季を変えられる。

4平均賃金の出し方

解雇予告手当や休業手当の「1日分」の基礎になるのが平均賃金です。

直前3か月間の賃金の総額÷その3か月の総日数(暦日)=平均賃金

割るのは「働いた日数」ではなく、休日も含めたカレンダーの日数。例:3か月で90万円、総日数92日なら 900,000÷92=約9,783円。

5例題で確かめよう

例題1

法定休日に、午後10時から午前2時まで働かせた。割増賃金率は何%以上か。

答えと解き方を見る

60%以上。法定休日35%+深夜25%=60%。

例題2

正しいか、誤りか。「時間外労働が深夜に及んだ場合の割増賃金率は、時間外の2割5分と深夜の2割5分のうち高い方なので、2割5分以上である。」

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誤り。重なったら足し算で5割以上です。

例題3

雇入れから6か月継続勤務し、全労働日の7割出勤した労働者に、年次有給休暇を与えなければならないか。

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与えなくてよい(この時点では)。条件は「6か月継続勤務」と「全労働日の8割以上出勤」の両方。7割では足りません。

6試験でねらわれるひっかけ

法定休日の労働は2割5分以上
3割5分以上(時間外と深夜が2割5分)
深夜は午後11時から午前6時まで
午後10時から午前5時まで
月60時間超の5割は大企業だけ
中小企業も2023年4月から適用
有給は6か月・9割以上の出勤で10日
6か月継続勤務・8割以上の出勤で10日
平均賃金は3か月の賃金総額を労働日数で割る
その期間の総日数(暦日)で割る

まとめ

ドリルで確かめる(割増賃金と年休)

要点ノートで見直す

出典:労働基準法 第12・37・39条、労働基準法施行規則。2026年10月時点の内容です。法令や告示は改正されることがあるので、試験の前には最新の公式資料で確認してください。