労働基準法・改善基準告示 ・ ステージ4

トラックの特例(隔日勤務・2人乗務・フェリー・長距離)

この章でわかること

1特例はなぜあるの?

トラックの仕事には、夜通しの運行、2人で交代する長距離、フェリーでの移動など、ふつうの「1日13時間」に収まらない形があります。そこで、条件つきで数字をゆるめるのが特例です。

隔日勤務やむを得ない場合だけ
2人乗務交代で休める設備がある
フェリー乗船中は体を休められる
予期しえない事象故障・欠航・災害・異常気象
長距離1運行450km以上・住所地以外で休息

どれも「休める条件がある」か「どうしようもない」から認められる例外です。条件の数字をセットで覚えましょう。

2隔日勤務:21時間働いて20時間休む

業務の必要上やむを得ない場合に、当分の間認められる働き方です。

基本
拘束 21h(2暦日)休息 20h以上
仮眠あり
勤務仮眠勤務休息 20h以上

ふつうは2暦日の拘束21時間以内、終わったら継続20時間以上の休息。仮眠施設で夜間4時間以上の仮眠を与えれば、拘束を24時間まで延ばせる(2週間に3回まで)。

2週間の拘束126時間以内(21時間×6勤務)
隔日勤務の休日44時間休息20時間+24時間

32人乗務:交代できるなら長く

2人以上が同時に乗り、車内で体を伸ばして休める設備があるとき、拘束時間を延ばし休息期間を短くできます。

ふつう
最大15h9h
2人乗務
拘束20hまで4h

拘束20時間まで延長、休息期間を4時間まで短縮できる。

車両内ベッドがあれば、さらに長く

条件拘束時間の上限
2人乗務(体を伸ばせる設備)20時間
+ 車両内ベッド(長さ198cm以上・幅80cm以上など)、勤務後に継続11時間以上の休息24時間
+ そのうえ8時間以上の仮眠を与える28時間
休日は30時間を下回らない休息4時間+24時間=28時間では、30時間に足りないので休日になりません。休日はどんな場合も30時間以上。

4フェリーの乗船時間は休息期間

勤務
運転フェリー運転休息
始業下船終業

乗船中は原則として休息期間。乗船時間を、勤務後の休息期間から減らす(減算する)ことができます。

5予期しえない事象:対応した時間は除ける

対象になる運転中の車両の予期せぬ故障
乗る予定のフェリーの欠航
災害・事故による道路の封鎖や渋滞
異常気象(警報が出たとき)
除ける時間1日の拘束時間
2日平均の運転時間
連続運転時間

記録は運転日報+客観的な記録(修理明細書、フェリーの欠航情報、道路交通情報、気象情報など公的機関の情報)。勤務後の休息期間はふつうどおり(11時間基本・9時間下限)。

6宿泊をともなう長距離運送

1週間の運行がすべて長距離(1運行450km以上)+休息期間が住所地以外→特例が使える
特例日
拘束16hまで休息8h
運行後
継続12h以上の休息

拘束16時間まで・休息期間を継続8時間以上に、どちらも週2回まで。9時間を下回る休息をとった運行のあとは、継続12時間以上の休息を与える。

7例題で確かめよう

例題1

正しいか、誤りか。「2人乗務の特例で休息期間を4時間とした場合、これに24時間を加えた28時間を休日として扱うことができる。」

答えと解き方を見る

誤り。休日はどんな場合も30時間を下回らない。28時間は休日になりません。

例題2

隔日勤務の運転者に、仮眠施設で夜間4時間の仮眠を与えた。2暦日の拘束時間を何時間まで延ばせるか。また何回まで使えるか。

答えと解き方を見る

24時間まで、2週間に3回まで。ふだんは21時間以内です。

例題3

次のうち「予期しえない事象」に当たらないものはどれか。
ア 運転中の予期せぬ故障 イ 荷主の都合による荷待ち ウ 事故による道路の封鎖 エ 警報が出た大雨

答えと解き方を見る

イ。荷待ちは予期しえない事象に入りません。対象は故障・フェリー欠航・災害や事故による封鎖や渋滞・警報が出た異常気象です。

8試験でねらわれるひっかけ

隔日勤務の休息期間は継続24時間以上
トラックの隔日勤務は継続20時間以上(24時間はタクシーの隔日)
2人乗務の特例は拘束時間19時間・休息5時間
トラックは20時間・4時間(19・5はバスのリクライニング座席)
フェリー乗船が4時間を超えたら下船後に次の勤務
8時間を超えたら
長距離の特例で休息8時間は週3回まで
週2回まで。その運行後は継続12時間以上

まとめ

ドリルで確かめる(特例のきまり)

要点ノートで見直す

出典:改善基準告示(トラック)、厚生労働省「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」。2026年10月時点の内容です。法令や告示は改正されることがあるので、試験の前には最新の公式資料で確認してください。