実務上の知識及び能力 ・ ステージ2

速度と力(停止距離・遠心力・内輪差)

この章でわかること

1止まるまでの距離は2つに分かれる

停止距離
空走距離制動距離
危険!効き始め止まる

空走距離:危険を感じてからブレーキが効き始めるまで(反応している間も車は進む)。制動距離:ブレーキが効き始めてから止まるまで。

2比例か、2乗に比例か

30km/h60km/h 11 2倍4倍 空走距離:速度に比例 制動距離:速度の2乗に比例
速度に比例(2倍→2倍)速度の2乗に比例(2倍→4倍、3倍→9倍)
空走距離制動距離(濡れた路面ではさらに長い)
衝撃力・運動エネルギー(質量にも比例)
遠心力(カーブの半径に反比例)
見分け方「反応している間に進む距離」だけがふつうの比例。「ぶつかる・すべる・振られる」力の話はぜんぶ2乗。
時速30km:生存率 約9割
約2割時速50km

歩行者が車にはねられたときの生存率。衝突速度が時速30kmなら約9割、時速50kmでは約2割に下がります。

3遠心力と内輪差

内輪差 前輪の通り道 後輪の通り道(内側) 左折(↑から←へ曲がる)

内輪差:曲がるとき、後輪が前輪より内側を通る差。ホイールベース(前輪と後輪の間)が長い大型車ほど大きい。左折時の巻き込みの原因。遠心力は速度の2乗に比例し、カーブの半径が小さい(急な)ほど大きい。

4タイヤとブレーキのトラブル

ハイドロプレーニング雨の路面を高速で走ると、タイヤが水の膜に乗って浮き、ハンドル・ブレーキが効かない。摩耗タイヤ・高速で起きやすい
ベーパーロックブレーキの使いすぎでブレーキ液が沸騰して気泡ができ、踏んでも効かない
フェードブレーキの使いすぎで摩擦材が過熱し、効きが悪くなる
スタンディングウェーブ空気圧不足のタイヤで高速走行すると、タイヤが波打ちバーストのおそれ

ベーパーロックとフェードは、どちらも長い下り坂でフットブレーキを多用するのが原因。エンジンブレーキを併用して防ぎます。

5例題で確かめよう

例題1

速度を時速30kmから90kmにすると、制動距離はおよそ何倍になるか。

答えと解き方を見る

速度は3倍 → 2乗に比例なので 3×3=9倍。

例題2

長い下り坂でブレーキを踏み続けたら、ブレーキ液に気泡ができて効かなくなった。この現象は?

答えと解き方を見る

ベーパーロック現象。摩擦材の過熱で効きが悪くなるのはフェード現象。

6試験でねらわれるひっかけ

空走距離は速度の2乗に比例する
空走距離は速度に比例。2乗は制動距離
遠心力はカーブの半径に比例する
半径に反比例(急なカーブほど大きい)、速度の2乗に比例
内輪差はホイールベースの短い車ほど大きい
ホイールベースの長い大型車ほど大きい
スタンディングウェーブは空気圧が高すぎると起きる
空気圧不足で起きる

まとめ

ドリルで確かめる(速度とカガク)

要点ノートで見直す

出典:運行管理者の実務知識、内閣府 交通安全白書ほか。2026年10月時点の内容です。法令や告示は改正されることがあるので、試験の前には最新の公式資料で確認してください。