労働基準法・改善基準告示 ・ ステージ1

拘束・労働・運転・休息 ことばの意味

この章でわかること

1なぜ、ことばから覚えるの?

労働時間の問題は、ほとんどが「拘束時間は何時間まで」「運転時間は2日平均で何時間まで」という形で出ます。どの時間がどの箱に入るかがあいまいだと、数字を覚えていても計算をまちがえます。

この章は、あとの「トラックの拘束」「運転時間」「バス」「タクシー」すべての土台です。ここで箱の中身をはっきりさせておきましょう。

ことばの意味→どの箱に入るか→何時間か足す→上限と比べる

計算問題はいつもこの順番。最初の「ことば」でつまずくと、あとが全部ずれます。

2時間は「入れ子の箱」になっている

いちばん大きい箱が拘束時間。その中に労働時間と休憩時間があり、労働時間の中に運転時間があります。

拘束時間(始業〜終業ぜんぶ) 労働時間 作業時間 運転時間 ハンドルを握る 荷積み 荷下ろし 点呼・点検 手待ち時間 荷待ちなど(すぐ動ける待機) 休憩時間 自由に使える

外側から「拘束 > 労働 > 作業 > 運転」。休息期間はこの箱の外(勤務と勤務の間)にあります。

拘束時間労働 + 休憩始業から終業まで全部
労働時間作業 + 手待ち荷待ちも労働時間

31日の流れで見てみよう

ある運転者の1日を、色で塗り分けました。

1日
運転荷待運転休息期間
始業終業次の始業
運転点呼(最初)・荷役(荷待ちのあと)荷待ち休憩休息期間

始業から終業まで(色のついた左側ぜんぶ)が拘束時間。そのうち濃い青だけが運転時間です。

どの箱に入る?

時間運転労働拘束休息
ハンドルを握って走る◯◯◯
荷積み・荷下ろし◯◯
荷待ち(手待ち)◯◯
点呼・日常点検◯◯
勤務中の休憩◯
終業後の睡眠・食事◯
荷待ちは休憩ではない呼ばれたらすぐ積み込みに入る待機は、仕事から離れられません。だから手待ち時間=労働時間。運転はしていないので運転時間には入りません。

4休憩と休息期間はまったく別もの

休憩時間勤務の途中の休み。会社の時間の中にあるので拘束時間に入る。
休息期間勤務と勤務の間の生活時間(睡眠・食事・通勤など)。拘束時間の外。
休息期間(トラック・2024年4月〜)11時間継続11時間以上が基本。9時間を下回らない

以前は「継続8時間」でした。8時間という数字が出てきたら、改正前のひっかけを疑いましょう。

5「1日」と「2日」の数え方

改善基準告示の「1日」は、カレンダーの0時〜24時ではありません。始業時刻から数えて24時間です。同じように、運転時間の「2日平均」の2日は始業時刻から48時間です。

暦日
月 0時〜24時火 0時〜24時水
1日
24時間
2日
48時間

月曜6時に始業したら、その「1日」は火曜6時まで、「2日」は水曜6時まで。日付の区切りは関係ありません。

次の日の始業が早くなると、前の日の24時間に食い込みます。その分は前の日の拘束時間にも足します(くわしくは「トラックの拘束時間と休息期間」)。

6「休日」は何時間あれば休日?

改善基準告示の休日は、ただの「休みの日」ではなく、時間の長さで決まっています。

休日
休息期間+ 24時間
2連休
休息期間+24時間2日目 24時間

休日 = 休息期間 + 24時間で、30時間を下回らない。2日続けて休むときの2日目は、24時間あればよい。

休日(1日目)30時間以上(休息期間+24時間)
2連休の2日目24時間以上でよい

7例題で確かめよう

例題1

次のうち、改善基準告示の「運転時間」に含まれるものはどれか。
ア 荷待ち イ 荷下ろし ウ 実際に運転している時間 エ 勤務中の休憩

答えと解き方を見る

ウ。運転時間はハンドルを握っている時間だけ。ア・イは労働時間(拘束時間にも入る)、エは拘束時間に入りますが、どれも運転時間ではありません。

例題2

正しいか、誤りか。「休憩時間は、使用者の指揮命令から離れている時間なので、拘束時間には含まれない。」

答えと解き方を見る

誤り。休憩も始業と終業の間にあるので拘束時間に入ります。拘束時間 = 労働時間 + 休憩時間。

例題3

火曜の21時に勤務を終えた。改善基準告示の休日を与えるには、次の始業は早くていつ以降にすればよいか。

答えと解き方を見る
  1. 休日は「休息期間+24時間」で、30時間を下回らない。
  2. 火曜21時から30時間後は、木曜の3時。
  3. よって、次の始業は木曜3時以降(水曜を休日として扱える)。

8試験でねらわれるひっかけ

拘束時間 = 労働時間 − 休憩時間
拘束時間 = 労働時間 + 休憩時間
荷待ちは運転していないので休憩時間
荷待ちは手待ち時間 = 労働時間(運転時間ではない)
「1日」は午前0時から午後12時まで
「1日」は始業時刻から24時間、「2日」は48時間
休息期間は継続8時間以上
継続11時間以上が基本、9時間を下回らない
休日は連続24時間あればよい
休日は休息期間+24時間で30時間以上(2連休の2日目は24時間でよい)

まとめ

ドリルで確かめる(拘束と休息)

要点ノートで見直す

出典:改善基準告示、厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」リーフレット。2026年10月時点の内容です。法令や告示は改正されることがあるので、試験の前には最新の公式資料で確認してください。